PRECIPICE AAR1

Precipice AAR

鷹:わたし、アメリカ合衆国大統領です。

熊:ぼく、ソ連共産党書記長です。

鷹:それで、なに、きょうは冷戦ゲームですね。

熊:そうなんです。PRECIPICEといって、直訳すると「断崖絶壁」、核戦争の恐怖におそれおののく冷戦ゲームですよ。

鷹:これがぼくちゃんたちですか。

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熊:ぼくのほうがおおきい(こなみかん

鷹:おおきいから強いって訳じゃないぞ。

熊:そらそうだ。

鷹:さて、ゲーム開始。

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熊:英語は読めないくまー。

鷹:なになに、「これは戦争ゲームではありません」。
 勝利の鍵は外交と謀略とちょっとした勇気です、とあるな。

熊:冷戦っぽい。

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鷹:で、これが史実モードのゲーム画面だ。

熊:配色がそれっぽい。

鷹:そう思うでしょ?やっぱりこれは、擬人化動物による「非歴史的」冷戦ゲームというのが良かったと思うんだよ。

熊:どういうこと?

鷹:たとえば歴史的冷戦ゲームだと、開始年代によっては冷戦っぽさが失われる。

熊:早い時期にゲームがはじまると、キューバはまだ資本主義国だし、中国は内戦のさなかということになるな。

鷹:そう、逆に遅い時期にゲーム開始時点を設定すると、朝鮮戦争中東戦争が終わってしまっていてそれらを追体験する喜びが失われる。

熊:なるほど。

鷹:しかしこのゲームは「非歴史的」冷戦ゲームなので、ちゃんと中国やキューバ共産国家だし、ゲームの状況によっては朝鮮戦争はこれからはじまるし、NATOやWPも結成されている。まあチリだけは穏健な共産主義国家で、これはピノチェト以前の人民戦線を表現しているのかもしれないね。

熊:ルーマニアとフィリピンがないのは仕方ないとして、アルゼンチンが真っ赤なのはどうしてだくま?

鷹:ペロン大統領は共産主義者というのがこのゲームの解釈なんだろう。

熊:ちなみに日本ではよく知られていないこととして、インドはインド憲法にも記載のあるようにれっきとした社会主義国家だし、リビア、シリア、イラク独裁政権はそれぞれアラブ社会主義を標榜しているんだくま。

鷹:そのあたりはよくシミュレートされているね。

熊:さてゲームをはじめるんだ。

鷹:とりあえずおれが主人公。おまえは敵な。

熊:くまー。

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鷹:TURN1でまず同盟国の自由主義陣営に自衛のための軍隊を展開したら、こうなった。

熊:抗議するくま。そこに軍隊がいるとクーデタ工作がしにくいくま。

鷹:だから軍隊を置いたんだぜ。「これは正当な軍配置だ。」

熊:じゃあぼくも同じことをしてやる。ここは引き下がるくま。

鷹:ちなみにこのゲームの勝利条件は、勝利ポイントを一定数以上稼ぐか、規定ターン数を経過した時点で勝利ポイントで相手より勝っているか、だ。

熊:敗北条件は?

鷹:さっきの抗議画面があっただろう?それがエスカレートして、非難の応酬、軍事力による威嚇の連鎖がはじまり、核戦争になったらゲームオーバーだ。

熊:こわい。

(つづく)