PRECIPICE Multi AAR 3-6 On Whitehouse.

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ソビエト連邦を中心とするワルシャワ条約機構軍による獰猛な軍事侵略は、西ドイツの防衛軍を粉砕し、TURN28には西ドイツはついに降伏。ドイツはドイツ民主共和国のもとに統一された。毛沢東の中国とインド共産党のインドとともに、グロムイコは得意の絶頂だった。NATOの独占は崩れ、VPは8vs9とソ連側が優勢になった。

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ドイツは赤旗のもとに統一された。

しかしニクソンと私は諦めなかった。粘り強く交渉を継続し、核戦争を回避し、第三世界を味方につけ、勝利点でふたたびアメリカがソ連を上回るように最大限の努力を尽くした。ドイツが統一されたあと、私は失ったVPをどうやって回復しようかと思案していた。西ドイツにはソ連軍が駐留しており、ここを取り返してNATOを再び独占することは不可能である。サブサハラの肥沃な中立地帯を制覇するにはまだ時間がかかる。アラブリーグとイーストアジアの東側の寡占を崩すことは、「アラビアのロレンス」と「ゴおじさん」*1をうしなった現在、非常に厳しい。
私が選定したのはサウスアメリカだった。ここでは相変わらずキューバカストロ議長とアルゼンチンのペロン大統領が深刻な共産主義者として振舞っていたが、ペルー、チリ、そしてスリナムの温和な社会主義政府はアメリカとの貿易協定によっていまや自由主義政府に宗旨替えしていた。私は三人目の、そして最後のスパイを「パピ600」と名付け、極秘でペルーに派遣した。同じ頃、共産主義者たちはブラジルでゲリラ活動を始め、自由のブラジルを内戦状態に陥れていた。もはや一刻の猶予もなかった。

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ブラジルの内戦とペルーに派遣されたスパイ「パピ600」

ペルーに派遣された極秘スパイ「パピ600」の任務は当然、アルゼンチン共産政府の転覆だった。ソ連側がアルゼンチンを拠点にブラジル政府を転覆しようと試みていることは明らかだったので、先手を打って軍部のクーデタを扇動して共産主義者のペロン大統領を放逐し、アメリカの傀儡政権をアルゼンチンに樹立するのが「パピ600」の任務だった。ニクソンと私はこの作戦を「コンドル作戦」と名付けた。この作戦が成功すれば、サウスアメリカでモスクワに忠誠を誓う政府はキューバのみとなる。そして最後にキューバの共産政権を軍事行動かクーデタかによって打倒すれば、サウスアメリカはアメリカの独占状態となり、VPで再びアメリカがソ連を優越する。ここが肝心だ。危険を承知で、実行しなければならない。

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「コンドル作戦」は成功した。貴重な残り一枠のスパイはすぐさまペルーから脱出し、次のターンでキューバに赴いた。

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TURN31の世界は冷戦末期の状況を示している。南北アメリカ大陸は自由の旗のもとに結集し、北大西洋条約機構からイスラエルを経てパキスタンに至る通称「アレクサンドロス大王の回廊」もまた自由主義陣営に属している。31ターンかけて、ニクソンと私はこうした自由の世界を築いてきた。資金を投資し、資源を融通し、貿易と陰謀を駆使して。だが代償もあった。アジアは真っ赤になった。毛沢東の中国、インド共産党のインド、金日成北朝鮮ホーチミンベトナムカストロ議長のキューバカダフィ大佐リビア、そしてワルシャワ条約機構の衛星国らは皆、モスクワに忠誠を誓っている。VPはアメリカ8vsソ連9で東側陣営が若干優位に立っている。しかしながら、アメリカにはサウスアメリカとサブサハラで挽回する余地が残っていた。事態は予断を許さなかった。未来は誰にもわからなかった。

*1:ベトナムに派遣したところ、さきに共産側のスパイがいて何の仕事もできずに射殺されてしまった二人目の西側スパイのコードネーム。