CK3 AAR 聖イシュトヴァーンの宝冠 3

first crusader

「ぼくは夢を見ていた...。ラテンの教皇が十字架の軍隊を率いて、ぼくの領土を行軍していく...。」

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僅か8歳で家督を継いだカプロンKaplonの摂政時代。
916年、ラテンの教皇が十字軍を発令した。目的は聖地エルサレム
このとき建国されたエルサレム王国は、ながらくキリスト教徒がアジアに突き立てた剣として、中東世界に残存することになります。

Regent Kuszan

僅か8歳で家督を継いだカプロンは、病弱なところのある少年でした。

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「ある日、叔父が挑戦してきた。」

カプロンの叔父、クスザーンKuszanは熟練した騎馬戦士でした。彼は戦場で片目をなくしたことが自慢でした。
彼は、幼少のカプロンでは政治を担いきれないと厳しく主張し、カプロンを大首長の座から降ろし、自分が大首長になってしまいました。

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しかしクスザーンの治世はとくに何事もなく過ぎ去ります。
931年、元服したカプロンは"A Challenger"のイベントでクスザーンに復位を迫り、これを了承させます。
カプロンは再びハンガリーの大首長の座に就いたのです。

KAPLON and its WAR

カプロンは元服して、星三つの外交官になっていました。
カプロンは摂政時代の経験から、大首長としての権威を確立することの重要性を痛感していました。
そのため、隣国に対して盛んに出兵を行いましたが、これが躓きの石でした。

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元摂政クスザーンは兄弟たちと語らって外患を誘致し、自身も内憂をおこしてハンガリー大首長の座を窺ってきたのです。
クスザーンはトランシルヴァニア公に支援されていました。こうして934年、ハンガリーは内乱の時代に突入しました。

内乱は4年継続し、最終的な勝利者となったのはカプランでした。
カプロンは元摂政クスザーンやトランシルヴァニア公を捕虜としてとって幽閉し、二度目の反乱の芽を摘みます。

945年にはまた別の問題がもちあがります。
継承関係がこじれてハンガリー首長国の一部がとなりの王国、モルダヴィアを継承しました。
王国級を継承したので当然独立します。モルダヴィア王国です。

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領土を大きく失陥したカプロンは、臣従強制のCBによる宣戦を検討しますが、威信が足りないため実行できません。
952年にはハンガリーモルダヴィアのあいだで国境紛争がおこり、これはハンガリーが勝利しますが、しかし一つや二つのプロヴィンスを得たところで問題の根本的な解決にはなっていません。

その後も960年代までカプロンは幾多の戦争を経験します。
多くの戦争は勝利、もしくは白紙和平におわりましたが、この間、モルダヴィアのほかに白ロシアwhite russeの勢力も浸透してきて、カプロンは対応に躍起になっていました。

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966年のカプロンの肖像です。
彼はこの年、生涯最後の遠征を敢行しました。
長年貯蓄してきた威信を吐き出して、モルダヴィアに対して臣従強制CBによる戦争を敢行したのです。

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この戦争に勝利し、カプロンは宿敵モルダヴィアを併合しました。
こののち971年、カプロンは死去します。57歳でした。

カプロンの人生は動乱と戦乱によって揺れていましたが、結果的に彼は王位に復し、王国も再統一したので、やはり名君と言えるのではないでしょうか。

(続く)

CK3 AAR 聖イシュトヴァーンの宝冠 2

Linutikaの治世

"カパラチア山脈を越えて"のCBをつかって戦争に勝利すると、敵対領主のパンノニア王国のde jure領域を全て手に入れることができますが、その代わり、それまでもっていたパンノニア王国のde jure外の領土をすべて失ってしまいます。

こんな具合です。

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でもまあ、一応、ちょっとしたハンガリー王国ですね。

アルコール中毒から癌のコンボで開祖アールパートが死去すると、後継者となったのは彼の長男であるリヌチカLinutikaでした。
リヌチカは父アールパートに倣って軍事教育をうけていましたが、臆病な性格で、軍事特性もぱっとしなかったそうです。

しかしリヌチカの治世は戦争に次ぐ戦争でした。
ざっと数えただけでリヌチカの治世につぎのような戦争が勃発しています。

・ゼムプレムZemplemへの侵略戦争(890年)
モルダヴィアMoldaviaからの防衛戦争(892年)
・下ポーランドLesser Polandへの侵略戦争(895年)
スラヴォニアSlavoniaからの防衛戦争(904年)
・下シレジアLesser Silesiaからの防衛戦争(911年)
・ギョルGyorへの侵略戦争(918年)

このすべての戦争にリヌチカは勝利、もしくは白紙和平を締結することに成功しています。

いちばんの難関だったのは892年に勃発したモルダヴィアからの防衛戦争で、

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この戦争に負ければハンガリー王位を失い、しかも敵兵力は二倍近いという危機でしたが、リヌチカは自慢の弓騎兵と契約した傭兵団の奮闘によってこのモルダヴィアの侵略を白紙和平で退けています。
いずれにせよリヌチカの治世は幾多の勝利に彩られ、領土も増加しました。彼は悪くない君主だったと言えるでしょう。

923年、リヌチカは父と同じように酒の飲みすぎで死去しました。享年61。
リヌチカには四人の男子がいましたが、後継者は、長男の息子、つまりリヌチカの直系の孫である、カプロンKaplonが継承しました。
カプロンは僅か8歳の子どもで、これが誕生して間もないハンガリー王国に動乱の火種をまくことになったのです。

(続く)

CK3 AAR 聖イシュトヴァーンの宝冠 1

First look

いよいよCrusaderKings3が発売されました。
皆様、パラドライフをいかがお過ごしでしょうか。

ぼくはいよいよCK3がプレイできてほくほくです。
時が経つのも忘れて、毎日サルのようにプレイしています。

でははじめていきましょう。

さて、CK3では867年シナリオと1066年シナリオが選択できます。
私は前者の9世紀シナリオからはじめて、マジャル人たちの大首長を率いてハンガリー王国を建国しようと思います。

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マジャル連合の王、アールモス・アールパードは推奨領主の一人です。
難易度はMedium、易しくもなく難しくもなくといったところですが、はてさて、このアールパード家はどんな歴史を紡いでいくのでしょうか。

King Arpad

マジャル連合における大首長の息子、アールパードはシナリオ開始当初22歳の若武者でした。
精悍な身体つきをした軍事の天才で、軍事値は18にも達します。

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マジャル人たちの居住するヴォルガ川南岸の領域です。
東方に広がる広大な黄色い領土がハザール王国で、彼らはユダヤ教を信仰しています。
南方に広がる広大な紫色の領土はブルガリア王国で、彼らはキリスト教を信仰しています。

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マジャル人たちは独自の宗教を保有していましたが、史実ではハンガリー平原に移住したあとキリスト教に改宗したように、ゲームでもキリスト教に改宗しようと思います。

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マジャル人たちの陣容です。
マジャル人たちは封建制ではなく部族制なので、常備軍の雇用はお金ではなくて威信で賄います。
初期の領主、アールモスには威信は1900点与えられており、これをつかって常備軍を整えましょう。

私は弓騎兵*3を主力として、接近戦になったときのために重装歩兵*1、パイク兵*1を雇用しました。

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つぎは戦争です。
大首長アールモスの号令で、若武者アールパード率いる弓騎兵たちが周辺諸国に戦争を吹っ掛けて回ります。
これは領土を拡大するという役割だけではなく、威信をてっとりばやく稼ぐという役割も担っています。(宣戦には威信コストを支払うため、思ったより稼げませんでしたが。)

アールパードはテレボヴルTerebovl、ガリーチHalych、そしてヴラジミルVolodymyrといった周辺諸国を攻撃して回り、戦争指導者として大きく成長しました。

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主の881年、大首長アールモスが亡くなり、いよいよアールパードが大首長としてマジャル族の棟梁になります。
ここでアールパードはマジャル族の命運をおおきく変える、ある決断をします。

"カルパチア山脈を越える準備"がそれです。

このディシションは、
・マジャル族が王国ランク以下であること。
・マジャル族が部族制であること。
・そして911年以前であること。
・最後に、威信1000点を消費するのでそれだけの威信を保有していること。

この四条件が揃ったとき、選択できます。
その効果は、パンノニア平原(ハンガリー平原)に移住するCBを得るというものです。

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パンノニア平原の東半分を領有するのは広大なブルガリア帝国です。
マジャル人たちはモルダ川とドナウ川を越え、ブルガリア人たちの領土で略奪を開始します。

このCBで戦争をすると、即座に4000人のイベント軍勢が味方に加わります。
このイベント軍勢と合わせて7000人弱のマジャル人たちが、ブルガリア帝国軍と彼らに雇われた傭兵団を攻撃して回ります。

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主の885年、ブルガリア皇帝ボリスはトランシルヴァニア高原のたたかいで敗れ、捕虜となりました。マジャル人たちのパンノニア平原移住は成功したのです!

その後、アールパード家の伝説的開祖となったアールパードは、戦後処理でストレスを高じさせてアルコール中毒になって888年に死去したと伝えられています。

(続く)

CK3 AAR 聖イシュトヴァーンの宝冠

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もともとヴォルガ川南岸付近に居住していたマジャル人の集団は、9世紀後半、ドナウ川中流域、パンノニア平原(ハンガリー平原)に移住します。
移住を指揮したのはマジャル人の大首長アールパード。以後、ハンガリーでは14世紀までこのアールパード朝が連錦と続くことになります。
史実では、主の1000年、ときのハンガリー大首長イシュトヴァーンがキリスト教に改宗し、聖イシュトヴァーンとしてハンガリー王となりました。

環境

select noble : House of Arpad
select country: Magyarok Conf.
start date : 867
version : 1.0.2

目次

1.大首長アールパードの生涯
CK3 AAR 聖イシュトヴァーンの宝冠 1 - oldmole1984のAAR

2.リヌチカの治世、幾多の戦争
CK3 AAR 聖イシュトヴァーンの宝冠 2 - oldmole1984のAAR

3.カプロンの治世と摂政クスザーン
CK3 AAR 聖イシュトヴァーンの宝冠 3 - oldmole1984のAAR

CK3 AAR おれらアンゲロスブラザーズ 1

おれらアンゲロスブラザーズ!

おれら極悪非道のアンゲロスブラザーズ。
今日も未来はないのに帝位争いしてやるからな。

さて、CK3AARということで、わたしはイサキオス・アンゲロスです。

わたしはアレクシオス・アンゲロス。今後ともよろしく。

わたしらはアンゲロス兄弟といったほうが通りがいいかな。CKシリーズのほかにも光栄のチンギスハンシリーズなどでも活躍してます。

弟のイサキオスは盲目にされたことで有名で、兄のわたし、アレクシオスは盲目にしたことで有名ですね。要するに帝位争いで有名です。

うるさい、お前なんかわたしの息子に追放された癖に。テサロニケ専制公だとふんぞりかえっても、結局そこも追放されたじゃあないか。

お前の息子は第四回十字軍に抗せず帝国を滅ぼしたじゃあないか。最後は暴徒に殺されてるし。

ぐっすん。

それはともかくとして、CK3ですよ。

CK3ですねえ。楽しみだねえ。今日時点では(2020年8月16日)、まだ発売されてないけど。

発売日は2020年9月1日(Steamでは2日)だ。

そこでアンゲロス兄弟を輩出したビザンツの封臣アンゲロス家でプレイするとしゃれこむわけだ。

とりあえず第一目標は御家の存続です。
最初は伝説の薄靄のなかからあらわれたようなひ弱な貧乏貴族しかいないから、いいとこの娘さんと結婚して直系家族を増やし、ゲームオーバーの危険をなくす。

できれば皇帝にもなってみたいねえ。

第二目標が皇帝を輩出することですね。
最初はたぶん伯爵級の貴族だから、まず公爵になって、それから公爵位を増やして、史実のように皇帝の娘さんでも娶って皇帝選挙に勝利するのがいいですね。

第三目標はあるの?

第三目標と言うほどではないけれど、やりたいこととして、異端にかぶれたり(聖像破壊派とかいいじゃん?)、テオドロス帝の最大版図を実現したり、ラテンの十字軍に負けて帝国崩壊したり、ペンターキー(五大主教座)をすべて制圧したりしたいですね。そこまでできるかはわからないけれど。

いやあ、それにしてもCK3楽しみですねえ。

そうだねえ。